1989年 ケビン・コスナー主演 「この映画をみるために生まれてきた」と言う映画評論家の方がいました。
あらすじ
「If you build it, he will come.」(それをつくれば、彼は来るだろう。)
田舎町に住むレイ(ケビン・コスナー)は農業でやっと生計を立てている。父親と若いころに喧嘩をして飛び出し、そのまま話をすることなく死別したことを後悔している。
そんなレイの耳に、この言葉がトウモロコシ畑から聞こえてきた。
それをつくれば彼が来る・・。レイは周囲の目をよそに、理解ある家族といっしょにトウモロコシ畑をつぶして野球場を作り始めた。
そして出来上がった野球場に、ある日ひとりの男がやってきた。それはジョー・ジャクソン。ある事件で追放され、失意のうちに亡くなった野球選手だった。
感想
彼が来るとは、実はレイの父親のことでした。
いろいろな野球選手が次々とやってきて、そうしてある日その選手たちに迎えられるように、まだ若い時の父親がやってきました。
レイと父親は、キャッチボールをします。何とも言えないシーンです。
その映画評論家の方は、「ケビン・コスナー、こんなにいい俳優だったとは」とも言われました。ほんとうに私もそう思います。
そういう意味では、ジョー・ジャクソン役のレイ・リオッタ(こっちもレイでややこしい)やジェームス・アール・ジョーンズもバート・ランカスターも素晴らしい。
特にジョー・ジャクソンの登場シーン。トウモロコシ畑に囲まれた野球場に現れた美しい野球選手。若いレイ・リオッタの存在感がすごい。この重要なシーンがあることで、映画の格調がぐんと高くなりました。
最初から最後まで、どうしてなのかわからないけどずっと目に涙を溜めて見る、という映画はこれだけです。
そんなに泣けるシーンがあるわけではないのですが、たまたま自分の何かにぴったりはまっているのでしょう。
だからもしかしたら他の人が見ても、何も感じないかもしれないけど、でも少なくとも一人の映画評論家の方とは同じ感想を持ちましたので、他にもそういう人がいるかもしれません。いやきっといるはずです。
どうかみなさまも、一度ご覧になることをお勧めします。