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ファンタジー

『ヒューゴの不思議な発明』映画のあらすじ&感想

2011年 マーティン・スコセッシ監督。テレビで見ても、映像がとてもきれいな作品でした。
ヒューゴの不思議な発明 (字幕版)

あらすじ

1930年代。パリのモンマルトル駅の大きな時計台の中に隠れて住んでいる孤児のヒューゴは、亡き父が残した機械人形を修復するため、父の残したノートを大切に持っていた。

あるとき時計の修理部品を盗むため駅の中の玩具屋に立ち寄ったヒューゴ。しかし店の主人に見つかり、手帳は取り上げられてしまった。

ヒューゴは店の主人を尾行すると、そこで偶然、養女であるイザベルと知り合った。イザベルは手帳を取り返すことに協力してくれることに。そしてヒューゴは父親仕込みの知識で玩具の修理をやって見せ、玩具屋で手伝いをすることになる。

機械人形の修理もすすみ、あとは人形の胸にあるハートの鍵穴に合う鍵を探し出すだけだった・・。

感想

世界各国でベストセラーとなったブライアン・セルズニックの冒険ファンタジー小説「ユゴーの不思議な発明」の映画化です。

聞くところによると、世界の観客動員数では製作費に比べて伸び悩んでしまったようです。批評家の方たちは絶賛し「傑作」とたたえたのに。

どうしてなのか、なんとなく私は理由がわかります。クライマックスまでの展開がちょっとゆっくりで、なんとなくいらいらしてくるのです。

それはきっと、最近の映画の展開が最初から早く、かゆいところに手が届くような爆発やどんでん返しがちゃんと起きるような作品に慣れてしまっているからだと思います。

しかし、主人公のヒューゴはクライマックスが近づくにつれ、だんだんと自分の生きる道を見つけていきます。何のために生きているのか、何の役に立つのか、と悩む友達に、「人には必ず役割がある」と亡き父親の言葉を伝えます。

そして迎えるラストの怒涛の展開。ようやくヒューゴが安住の地を見つけられたことに、心から安堵し、前半のいらいらしたことに、まったく反省するのでした。