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ファンタジー

『ビザンチウム』映画のあらすじ&感想

2013年 ニール・ジョーダン監督 シアーシャ・ローナン主演。不死の力を得て生き続けるヴァンパイヤの厳しい運命。

あらすじ

16歳のエレノア(シアーシャ・ローナン)は母クララと2人で街から街へと流れるように生きていた。2人は200年もの間、人の生き血をすすり生き続けているヴァンパイヤ。

女のヴァンパイヤを認めていない同盟の追っ手を殺害し、街を出た2人が行きついたのは、かつて人間だった頃に暮らしていた港町。

この町に昔からあった娼館の「ビザンチウム」。200年前クララはここでエレノアを産んだ。ここをもう一度娼館にして商売を始めるクララ。

エレノアはたまたま知り合ったウエイターのフランク(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)と心を通わせる。

さらにエレノアは、これからは正直に生きていきたいと考えるようになっていた。自分がいつの時代からどのようにヴァンパイヤになったか、作文にして書き留めフランクに渡すが、当惑したフランクは作文を教師に見せてしまう・・。

感想

物語の舞台は現代。それと200年前の出来事が交互に挿入されます。

母のクララは現実的で前向きでダイナミックなヴァンパイアなのに対し、主人公のエレノアは人間の命を奪うことをためらう優しい心を持っていました。

演じるシアーシャの透明感のある美しさと哀しみをたたえた演技が光ります。

13歳の時「つぐない」の存在感ある演技で注目された後、数々の作品で才能を開花させてきたシアーシャ・ローナン。ヴァンパイアという特異な役も自分のものにしています。

吸血鬼の話、ということで一見B級映画のくくりかと思いきや、なかなかの作品でした。