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『ナミヤ雑貨店の奇蹟』映画のあらすじ&感想

かっこ2017年 東野圭吾の同名ベストセラー小説の映画化。主演は山田涼介、西田敏行。原作の雰囲気がなんとなく再現できていたと思います。山田涼介、村上虹郎がキラッと光ります。

あらすじ

養護施設にいた敦也は、幼なじみの翔太や幸平と盗みを働き、ある廃屋に逃げ込む。そこは、かつて町の人々から悩み相談を受けていた「ナミヤ雑貨店」だった。

いまは廃業している店内で一夜を過ごすことに決める3人だったが、深夜シャッターの郵便受けに何かが投げ込まれた。

投げ込まれていたのは1980年に書かれた悩み相談の手紙で、敦也たちは戸惑いながらも、当時の店主に代わって返事を書くことにした。

やがて、この雑貨店と浪矢の意外な秘密が明らかになっていく・・。

感想

日本映画ならではのゆっくりした展開ではありましたが、とにかくテンポの速いアメコミ映画とは違い、例えばナミヤ雑貨店の店主西田敏行さんがゆっくり歩くシーンなどの、気持ちを動きで表現する演出は、これはこれでありだな、と思いました。

話はまるでSF。1980年に悩みを相談した手紙が2012年のシャッターのポストに届く。手紙という媒体が、今の時代にはロマンチックで伝説のようになっていることも、この話を不思議な雰囲気にさせています。

「お前、手紙なんて書いたことあるのかよ」というセリフがありますが、確かに字を書いて何かを人に伝えるということが今はめずらしい時代です。手でペンを持って書いた手紙というものが過去から届く・・。心の屈折した若者がそれを手に取ったときに、彼の心に何かが生まれました。

東野圭吾さんの傑作のひとつです。これをどう映像化するか、となったとき、「原作になるべく忠実にそのままに」という選択をされたことは実によかったと思います。

そして、ゆっくりとした展開は、クライマックスを俳優さん一人一人の力量に任せた感じの脚本・演出となっています。

その結果、どうなったかについては、映画を見て確認していただきたいですが、ところどころ残念で、ところどころ素晴らしいです。