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『アメリカン・ハッスル』映画のあらすじ&感想/クリスチャン・ベイルのカメレオンぶり炸裂

2013年 監督:デビッド・O・ラッセル 実際におきた「アブスキャム事件」をもとにしたドラマです。ほんとうに練られた上手い脚本に、思わずうなりました。

あらすじ

79年、ラスべガスやマイアミに続くカジノタウンとして開発中のニュージャージー州アトランティックシティ。

詐欺師のローゼンフェルド(クリスチャン・ベール)を逮捕したFBI捜査官のディマーソ(ブラッドリー・クーパー)は、司法取引でローゼンフェルドを捜査に協力させ、偽のアラブの大富豪をエサにした巧妙なおとり捜査によって、カジノの利権に絡んだ大物汚職政治家たちを逮捕していく。映画com.

感想

あまりにもふざけたような題なので、ドタバタ喜劇なのかなと思ってしまいますが、その笑いはただの笑いじゃない。

カメレオン俳優のクリスチャン・ベール、そしてエイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンス、ブラッドリー・クーパー、さらにロバート・デ・ニーロなど錚々たるメンバーの演技もさることながら、

速い展開の中で次々としゃれたセリフが飛び交い、物語が円を描くように山場がやってくるという、この巧妙な仕掛けはうならずにいられない。

度が過ぎたファッションもこれまたいい。それらが一番似合っていて演技もハマっているのはジェニファー・ローレンスです。

忘れてはならないのは、曲の数々。デューク・エリントン、ドナ・サマー、そしてまさかのウイングス! どれも痺れるような選曲。「007 死ぬのはやつらだ」を歌って踊るジェニファーがかわいい。

それにしてもこれだけの精巧な作品でありながら、「アメリカン・ハッスル」というタイトルだけがなんとなく残念なのは私だけでしょうか。

2022年公開の「アムステルダム」は実にかっこいいタイトルなのに。

ともかくこの作品は、タイトルとポスターから受ける印象の、何倍もおもしろい映画であることは間違いありません。