2014年 ウェス・アンダーソン監督。レイフ・ファインズ主演。他にも名優ばかりのキャスティング。色彩が独特なホテルの描写が美しいです。物語は、現在から1985年、1968年、1932年と幾重にも回想されていきます。それぞれの画面の比率を変えることでうまく表現できています。
あらすじ
グランド・ブダペスト・ホテルは今は寂れてしまい、すっかり色あせた姿になっていた。ある作家がこのホテルのことを小説に書いた。ムスタファ(F・マーリー・エイブラハム)という富豪に取材をしたのは1968年。ムスタファは初めはこのホテルのベルボーイだった。
1935年、このホテルは名高いコンシェルジュのグスタヴ(レイフ・ファインズ)が切り盛りしていた。あるとき上得意の裕福な夫人が亡くなる。しかも遺言でグスタヴに名画を譲ると書かれていた。
夫人の息子ドミトリーたちはグスタヴと夫人がただならぬ関係にあったことを知り、グスタヴを陥れることを画策。グスタヴは夫人殺害の犯人として逮捕させてしまった・・。
感想
名だたる、名だたる名優が主要な役やちょい役をも演じています。エドワード・ノートンやレア・セドゥがふつうに脇役で出ている。お札で汗を拭くみたいな、勿体ない感じがなくもないです。
それでもコメディとはいえストーリーは練られており、ホテルなどの設えも完璧。最後はしみじみと感動しちゃうような作品でした。
ところどころアニメのような動きも取り入れ、なるほど「犬ヶ島」の監督さんらしいなあ、と思ってしまいます。
(ただし、あまりの不思議さに、その雰囲気に慣れるのに時間を要し、最初のうちストーリーが入ってこないかもしれません。)
1点だけ残念なのは、コンシェルジュはお客様と不適切な関係にはならないほうが良かったかな、と思いましたが、ここは考え方はいろいろなのでしょう。