1979年公開。宮崎駿の最初の監督作品。いつもは赤いジャケットのルパンが青緑色のジャケットを着ています。実は、テレビの第1シリーズでは青緑だったのです。
あらすじ
日本からやってきた盗賊のルパン三世たちは、モナコの国営カジノから大金を盗み出すことに成功した。しかしそれは精巧な偽札の「ゴート札」だった。偽札を見抜いたルパンたちは、ゴート札の出処とされるカリオストロ公国へ向かう。
ルパンはそこでウエディングドレス姿の美しい少女が何者かに追われているのに出会う。ルパンは少女を助けようとしたが、失敗し連れ去られてしまった。
少女の名はクラリス。この国の亡くなった大公の娘だった。
クラリスは亡くなった父に代わってこの国を治めているカリオストロ伯爵に結婚を迫られ、無理やりドレスを着せられていた。
クラリスが残した指輪を見て、ルパンは見覚えがあることに気付く。クラリスが幼いころにルパンはクラリスに助けられたことがあったのだ。
そしてこの指輪こそが、カリオストロ伯爵の目的であり、先祖の財宝を手にするための鍵であった・・。
感想
1979年の作品ですが、宮崎監督の名声が高まるにつれ、この作品もだんだん評価されるようになりました。
その後のジブリ作品に繋がる世界観でジブリファンをうならせたに留まらず、作品の完成度の高さは世界でも称賛されています。
なぜこれほど支持されるのでしょうか。もちろん理由はストーリーの完璧さ、面白さ、アニメーションの質の高さなどキリがないほどありますが、
何よりも大きい要因は、クラリスというヒロインの存在と言えるでしょう。
おしとやかな日本女性のようでもあり、しかし芯には強さを秘めている。この映画を見てクラリスを好きにならない男性はいないのでは。
それから「優しい」ストーリー。
原作はまさにハードボイルドなのですが、この映画のルパンはとても優しいおじさまです。
そして、「あなたはどのシーンが好きですか」と聞かれたら、「何と言ってもラストシーンです」と答えます。。
全編を通じ、心に残る名シーンばかりですが、やはりラストに尽きるでしょう。クラリスの愛を、ルパンは受け止めるのか・・というところ。
銭形警部がクラリスに向かって、「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。」と語りかけます。
これは歴史に残る名台詞と言っていいでしょう。