あのとき見逃した映画は名作だったかもしれない
新旧の映画の中から
名作を掘り起こすレビューサイト
アドベンチャー

『ジャングル・ブック』映画の感想&あらすじ/大人も感動できます

2016年 あんまり話題にならなかったけど、意外にもけっこう良かったんです。

あらすじ

主人公のモーグリ(10歳ぐらいの男の子)はオオカミに育てられた人間の子供だった。いつもはオオカミの兄弟たちとジャングルを駆け回ってすごしている。

ある日恐ろしいトラのシア・カーンが現れ、人間の子供のモーグリを渡すようにと脅す。

母親オオカミであるラクシャは黒ヒョウのパギーラに託し、人間の村に逃がそうとする。しかしシア・カーンは追ってきた。

途中でパギーラとはぐれたモーグリは、巨大なヘビのカーに術を掛けられ、自分の父親はシア・カーンに殺されていたことを知る。カーに食べられそうになる寸前、大きなクマのバルーに助けられた。

バルーは気のいいクマで、いっしょに行動しながらいろんなことを教えてくれた。モーグリも知恵を使ってハチミツを取ったりした。

その後黒ヒョウのパギーラに再会できたモーグリは、冬眠するバルーと別れ、人間の村に向かう。

しかしその途中、キング・ルーイという超巨大サルがいる宮殿に来てしまう。キング・ルーイは逃げ出そうとするモーグリに怒り、「おまえの育ての父親オオカミはシア・カーンに殺された」と告げた。

ショックを受けモーグリは怒りに燃える。そしてシア・カーンに戦いを挑むことになる。人間の知恵を使って・・。

感想

ジャングル・ブックは1894年、ラドヤード・キップリングが書いた児童文学です。実写・アニメ両方で何度も映画化されています。

今回は実写とCGの融合。これはさすがディズニーとしか言いようがない、素晴らしくきれいな映像です。迫力ある、トラやオオカミ、超巨大サル、ジャングルの風景。しかし人間はCGではないので、表情豊かです。

子供向けの内容なのですが、時々哲学的なことをクマや黒ヒョウが口にして、なるほどと納得します。

声優キャストは、英語版も豪華なのですが、日本語版がまたすごい。松本幸四郎、宮沢りえ、西田敏行、伊勢谷友介。このチョイスは大成功です。

日本のアニメで声優を有名人にして大失敗しているのが多いのに、ジャングル・ブックは声優で大成功した作品と言っても過言ではないでしょう。黒ヒョウの松本幸四郎は品格と威厳があり、トラの伊勢谷友介は迫力ある悪役を演じていました。

ただ一つだけ、モーグリが人間の知恵の象徴である「火」を使ってしまい、森が燃えたことで失敗に気付き、火を投げ捨てる下りがありますが、このシーンがちょっと引っかかりました。

火は人間だけしか使えないもの。火を動物たちはとても怖がります。森を燃やすなんて、そんなことをしてほんとうに許してもらえたのか、と心配になります。そこのところが最後の最後まで心に引っかかったままで終わりました。とても残念です・・。

ですが、あまり日本では話題にならなかったこの映画、私はお勧めだと思います。お子様と一緒に見ても、大人も十分楽しめます。