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『アムステルダム』映画のあらすじ&感想/大きな陰謀と友情の大河ロマン

2022年 とても洒落たタイトル「アムステルダム」 デビット・O・ラッセル監督と再タッグを組んだクリスチャン・ベールでしたが、さて作品の出来はどうだったのでしょうか。

あらすじ

1930年代のニューヨーク。かつて第1次世界大戦の戦地で知り合い、終戦後にオランダのアムステルダムで一緒の時間を過ごし、親友となったバート(クリスチャン・ベール)、ハロルド(ジョン・デビット・ワシントン)、ヴァレリー(マーゴット・ロビー)。

3人は「何があってもお互いを守り合う」と誓い合い、固い友情で結ばれていた。ある時、バートとハロルドがひょんなことから殺人事件に巻き込まれ、容疑者にされてしまう。

濡れ衣を着せられた彼らは、疑いを晴らすためにある作戦を思いつくが、次第に自分たちが世界に渦巻く巨大な陰謀の中心にいることに気づく。映画com.

感想

えらく大掛かりなつくりのようですが、中身はそれほどでは無かったです。予告編が立派過ぎて過度に期待してしまいましたが、これは予告編としては失敗ですね。

主演は、いつも完璧なクリスチャン・ベール。彼にしかできない主人公像を作り上げていました。ただなんとなく彼はいつも孤高の人。友情の話ではありますが、他の2人とどこか混ざり合えないものを感じました。

実際に起きた大きな陰謀に立ち向かう3人の友情を描きたかったのでしょうが、「陰謀」なのか「友情」なのかとっ散らかってます。

この映画の本質を理解して演じていたクリスチャン・ベールに救われていますが、それでも足りない。

そもそもクリスチャン・ベールは、キャストの中で要となり、縁の下の力持ち的な役回りの人。前面に出てぐいぐい引っ張る人ではないのです。

マーゴット・ロビーは安定の良さを出していましたが、他の主要な有名俳優さんたちはすべからく実力を発揮できていない。ラミ・マレックに至ってはボヘミアン以来どうも調子が出ていない気がする。

じゃあ何をどうすればよかったのか。それは映画のタイトルである「アムステルダム」に鍵がある気がします。

アムステルダムで育まれた友情。それは、具体的に、どんなことが起きて、どんなほろ苦い思いがあったのか。それをもっと掘り下げて見せてくれるべきでした。

この映画、扱っているテーマは本当に面白いと思うのです。実際に起きた驚愕の大陰謀事件。それとフィクションである3人の友情。そしてアムステルダムという当時世界で最も自由な都市という存在。

これを面白い映画にしようと思わないわけはない。要するに、もしかしたら作り手の思いがあまりにも大きすぎて、空回りしてしまったのかもしれません。

(もしくは、20年後ぐらいに再評価される可能性もなくはないですが)

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