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『1917 命をかけた伝令』映画のあらすじ&感想:没入感という表現がぴったり

2019年 サム・メンデス監督。007スカイフォールやスペクターなどで見せてくれた、ノンストップの臨場感がさらにパワーアップ。最後まで長回しで撮ったかのように見えるのがすごいです。

あらすじ

1917年4月、フランスの西部戦線では防衛線を挟んでドイツ軍と連合国軍のにらみ合いが続き、消耗戦を繰り返していた。

そんな中、若きイギリス兵のスコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイクは、撤退したドイツ軍を追撃中のマッケンジー大佐の部隊に重要なメッセージを届ける任務を与えられる。

感想

アカデミー賞では撮影賞や視覚効果賞などに留まりました。史実と相違があるという指摘などがあったためか、長回し風なのが見ていて疲れる人がいたためか。

しかしこの映画は、歴史を描きたかったわけではないことはあきらか。どこまでも悲惨で無慈悲な戦争の現実。そこにまっすぐな若者がいたはずだ、というこれは夢の話。

スコフィールドという若者が、戦場を走る、走る。恐ろしい銃撃の中、爆撃の中、累々たる死骸の中・・。それを追いかけるカメラ。その目は私たち観客と一体となる。

この没入感体験は、「戦争はだめだ」という言葉を繰り返し擦り込まれることになります。

サム・メンデスの魔術に沼のようにはまり、体感した、スクリーンでの鑑賞。その後家のテレビで再鑑賞し、改めて「だめだよ、戦争しちゃ」と引いた目で思う感想。

どちらの見方も、作品が訴えかける「反戦」の2文字をいささかもブレさせないことは間違いないでしょう。