1995年 ダスティン・ホフマン主演。伝染病の恐ろしさ、それに対する人間たちのエゴの恐ろしさを知った映画。だけどこの映画では最後に無事に解決するのです。この映画の中では。
あらすじ
ザイールのモターバ川流域で、謎の出血熱が流行しているという情報を得た軍医のサム(ダスティン・ホフマン)が現地に赴くが、すでに村は壊滅状態になっていた。
帰国したサムは、疾病予防センターに勤務する元妻ロビー(レネ・ルッソ)に伝えるが聞き入れられず、また軍の上層部は「アメリカ本土に影響を与えることはない」と一蹴する。
しかしサムはその上層部の態度に不信を抱いた。実は上層部は30年前に同じ地域で発生した伝染病のことを知っていながら隠していたのだ。
そんなとき1匹の猿が船で密輸されてくる。ザイールの奥地で捕まえられたこの猿は、じつはあの伝染病の宿主であった。まもなくアメリカ全土がアウトブレイク(感染症の突発的流行)によって恐怖におののくことになる・・。
感想
ダスティン・ホフマンが正義感の強い軍医を熱演し、その存在感と演技力はさすがと思わせるものでした。
未知の伝染病によって人々は最初は何も知らぬまま、そして次第に恐怖に陥るさまはパニック映画のセオリー通りですが、そのウイルスの正体を解明し、軍の陰謀もからめて進んでいくストーリー展開はとても丁寧で、クライマックスのサムの活躍もじつにうまく作られています。
1995年から25年後、アウトブレイクがこのようにきれいに解決するということは無く文字通り絵空事だということは誰にでもわかっています。それでも私たちは「人間はこのウイルスに打ち勝つはずだ」と信じているはずです。
ウイルスに打ち勝つイメージトレーニングのように、このような映画を観るのも心の栄養になりそうです。